NFT

イーサリアム(ETH)の「ガス代」とは何かわかりやすく解説【計算方法やおすすめの確認ツールも紹介】

本記事にはプロモーションを含みます

悩んでいる人

暗号資産やイーサリアムについて調べてたらガス代って出てきたんだけどこれ何?わかりやすく解説して欲しい

本記事の内容
  • ガス代の意味と必要性について
  • ガス代の仕組み(計算構造)と具体例
  • ガス代をチェックできるおすすめツール3選
  • ガス代を節約するために知っておきたい方法

こんな悩みを解決していきます。

ガス代は”イーサリアム”で必要となる手数料のようなもの

「ガス代ってなに?」

暗号資産に興味を持ち始めた時に抱く疑問の一つがこれです。ひとことで表現するならイーサリアムで必要となる手数料のようなものと思ってもらえれば今はOKです。

ここで言うイーサリアムとはプラットフォームのこと。ビットコインと並ぶ仮想通貨であるイーサ(ETH)のことをイーサリアムと呼ぶことも多いですが、本記事ではわけて表現することにしていきます。

NFTアートやDeFiなどで必要となるガス代について基礎から詳しく知りたい人に向けて、わかりやすさ重視で解説していきます。NFTとかDeFiについてまったく知らなくても大丈夫なので安心してください。

イーサリアムのガス代とは何かわかりやすく解説


イーサリアムで発生するガス代について、概要や仕組みについて見ていきます。本記事を読むことで、ガス代を低く抑えて取引するためのコツもわかるようになります。

ガス代の意味と必要性について

まず最初に概要から。

ガス代はイーサリアムで構築されたプラットフォームをユーザーが利用する際に発生する手数料のようなものです。「なぜ手数料が発生するのか?」という理由をまとめたものが以下の2点。

ガス代が発生する理由

  • 理由その①:プラットフォームを支えてくれる人への報酬的役割
  • 理由その②:プラットフォームを攻撃する悪意ある者への経済的ハードル

意味合いは異なりますが、ガス代が必要な背景にはこういった理由があるのです。どういうことか、もう少し掘り下げて解説してみます。

理由①:報酬としての側面

ビットコインをはじめ、イーサリアムでもブロックチェーン技術が根底にあります。

ブロックチェーンは性悪説にもとづき、顔も名前も知らない人同士が安心・安全にやり取りできるような仕組みが構築されていますが、それを支えているのが「マイナー」の存在。これは、ブロック単位で刻まれていく取引の検証作業をしている人たちのこと。

こういった人たちのおかげでプラットフォームが成り立っているので、彼らに報酬を払う必要があり、ガス代がその役割を果たしているのです。

理由②:セキュリティ対策としての側面

そしてもう一つ、ガス代はセキュリティ対策としても機能しています。

Dos攻撃のような不正アクセス攻撃に対する防衛手段として、ガス代を課しています。つまり、イーサリアムというプラットフォームに悪意を持って攻撃しようとするのにもガス代というお金が必要ということ。

このように、サイバー攻撃からイーサリアムネットワークを守る側面としてもガス代が存在しているのです。

ガス代の仕組み(計算構造)と具体例

ガス代についてなんとなくわかってきたところで、計算方法を確認しておきます。

少し複雑なのですが、ポイントさえおさえておけば、この後紹介するツールを見る時にも役立てられます。

ガス代の計算式は「ガス単価×ガスリミット」で算出される

これが結論。計算式自体はそこまで難しくありません。

それぞれの意味をまとめたものがこちら。

ガス単価 自動車でいうガソリン価格のようなイメージ。イーサリアムで取引している人たちの需給関係に応じて価格が変動する仕組みになっている。
ガスリミット 自動車でいう燃料(ガソリン容量)のようなイメージ。燃料があるほど遠くに行けるように、ガスリミットが多いほどたくさん取引を処理してくれる。

なかなかイメージしづらいですよね。

ここでは、実際の取引でガス代が発生する時は「ガス単価×ガスリミット」の考え方にもとづいて算出されていることだけでも知っておいてください。特にガス単価。ガスリミットは取引所側で設定されていることが多いのに対して、ガス単価は需給関係に応じて変動しています。

つまり、取引量が多い時ほどガス単価が高くなり、結果としてガス代も高くなるということです。

海外の方も面白い表現をしているほど。訳すと「イーサリアムのガス代はウーバーのピーク料金みたい。酔ってなければ、そのヒドさに気付くはず」と言っています。

それほどガス代(ガス単価)は変動しているということを知っておいてください。

ガス単価の仕組み(参考)

ガス代の計算式については、最低限上記の内容を知っておけばOKです。ただ実はもっと細かい仕組みになっているので、余裕のある人はこちらもぜひ理解しておいてください。

ポイントをまとめたものがこちら。

  • ガス単価は基本料金(base fee)とチップ料金(priority fee)の2つから構成
  • ガス単価の単位はwei。1ETHは1wei×10の18乗で計算される
  • ガス単価は、実は「基本料金」と「チップ料金」の2つから構成されています。チップ料金というのはプラットフォームを支えているマイナーへの報酬上乗せ分。取引を早く完了させてもらうための追加料金といったところですね。

    後ほど紹介するツールの画面でガス単価をチェックしてみます。赤枠で囲ってある「Base Fee」と「priority fee」を確認できるかと思います。


    priority feeが5つ表示されていますが、これは上乗せするチップ料金によって取引の成功確率が変わるため。priority feeが2の時は99% probabilityとなっているのに対して、1.07の時は70%になっていますよね。

    このように、上乗せするチップ料金が低すぎると取引が成立しないこともあるのです。ちなみにbase feeとpriority feeを合計したものをmax feeと呼び、ガス単価の上限を意味します。

    そしてもう一つ知っておいて欲しいポイントが「単位」です。

    最終的にはガス単価×ガスリミットで算出されるガス代の単位はETHで表示されます。ですが、ガス単価ではETHより小さいweiという単位が使われます。これを10の18乗したものが1ETHに相当。

    ただこれだと小さすぎるので、上記画面のBase Fee(73.40 GWEI)にあるように、gweiを使われることが一般的。これはgiga weiの略で、10億weiを意味しています。

    意味がわからないと思うので、ここで1つ具体例を出しておきます。

    【具体例~ガス代の計算】

    イーサリアム上でNFTアートを購入したい。現時点のガス単価は73.4gweiだが、取引を早く終わらせるために2gweiをチップとして追加する。なお、ガスリミットは25,000gweiとして設定されていた。

    こんなケースを考えてみます。

    ガス代を算出するために必要な数値を整理すると

    • ガス単価(①):75.4 gwei(base 73.4gwei + priority 2gwei)
    • ガスリミット(②):25,000 gwei
    • ガス代(①×②):1,885,000 gwei

    こうなります。

    ETHに単位を変換したいのですが、1ETH=1,000,000,000,000,000,000weiという凄まじいケタ数。gewiを使って整理すると、1ETH=1,000,000,000 gwei(10億gwei)となります。

    ここで計算したガス代は1,885,000 gweiなので、ETH換算すると0.001885ETH。ETH/JPY=200,000円で計算すると、ざっと377円ほどになります。

    自分で計算するとかなりややこしいですが、実際はMetaMaskの精算時に表示されるので、取引する予定がある人はそこで確認してみてください。

    ちなみにですが、取引時に発生するガス代の一応の目安として「0.02ETH~0.03ETH」ほど見積もっておけばよいかと思います。日本円でざっと3,000円から4,000円前後。時期によって大きく変動するので、あくまで参考ですが。

    ガス代をチェックできるおすすめツール3選

    ガス代の計算式についても見てきたので、ガス代をチェックできるツールを3つほど紹介しておきます。

    先ほどもお伝えしたように、ガス単価は需給関係で常に変動しているので、ガス代を支払う前のチェックツールとして使えるようにしてみましょう。

    3つ紹介しますが、使いやすいと思ったツール1つだけ使えばOKです。

    おすすめのガス代チェックツール

    1つずつ簡単に画面を見ておきます。厳密には「ガス単価」を確認できるツールですが、わかりやすいようにここではガス代と表現しています。

    ガス代確認ツール①:ethereumprice

    これはガス代のトレンドを知りたい人におすすめ。

    以下のように時間帯別のガス代(gwei)を確認できます。


    下にスクロールするとヒートマップも表示されているので、ガス代の狙い目もわかります。


    ただ、リアルタイムのガス代は把握しづらいので、僕はほとんど使っていません。

    ガス代確認ツール②:Etherscan(Ethereum Gas Tracker)

    リアルタイムでガス代を確認したい人におすすめなのがEthereum Gas Tracker

    15秒刻みで更新されるので、今のガス代を知りたい人には最適。しかも左側に「Low/Average/High」と表示されるので、おおまかな目安がわかります。


    右側の棒グラフは、ガス代と取引に要する時間の関係を表したものになっています。支払うガス代が安いほど時間がかかり、高いほど早いという関係が見て取れます。

    ガス代確認ツール③:Gas Estimator

    最後に紹介するのがGas Estimator

    先ほど紹介したツールでもあり、僕が一番愛用しているツールでもあります。愛用している理由は、リアルタイムでガス代を確認できる点に加えて、Google Chrome拡張機能でいつでも呼び出せて便利だから。


    実際に呼び出した画面はこんな感じ。


    「View Charts」でグラフも確認できて便利です。


    取引前にリアルタイムのガス代を知りたい人はぜひ活用してみてください。

    ガス代を節約するために知っておきたい方法

    最後にガス代を低くおさえて節約する方法を紹介しておきます。

    節約方法①:ガス単価が低い時間帯を狙う

    ガス代は「ガス単価×ガスリミット」で計算されましたね。なので、理論上はガス単価かガスリミットが低い時に取引をすれば良いことになります。

    ただガスリミットは取引所などで設定されていることもあるため、先ほど紹介したツールを見てガス単価が低い時間帯を狙うのがおすすめ。おすすめというかそれしかないといった感じですね。

    もう少しテクニカルに言えば、ガス単価のBase feeが低い週末や夜中の時間帯を狙うか、Max feeを設定することで不要なコストをおさえるのが良いでしょう。Max feeというのは基本料金(base fee)とチップ代(priority fee)を合計した金額なので、上限を定めた上で取引するようなイメージ。

    いずれにしても、ガス単価が変動している以上、出来るだけ取引が少ない時間帯を狙ってみてください。

    節約方法②:イーサ(ETH)が安くなった時を狙う

    もう一つはイーサ(ETH)の価格が安くなった時を狙う方法。

    先ほど具体例で見てきたように、ガス代もイーサ(ETH)で計算されます。そしてETHを日本円に換算する際には、外国為替と同じくレートの影響を受けます。つまり、イーサ(ETH)の価値と連動しているので、ETHが低くなった時に取引をするのも一手です。

    2021年の11月頃には1ETHあたり50万前後の値を付けたこともありますが、2022年6月時点ではアップデートの影響もあり約17万ほど最安値を更新中。

    ちなみにこのアップデートの影響でガス代が安くなることも期待されているので、今後の動向は注目しておきたいところです。

    まとめ:イーサリアム(ETH)のガス代とはプラットフォームを維持するために必要な手数料のこと


    本記事をまとめます。

    本記事のまとめ

    • イーサリアムで構築されたサービスを利用する時にガス代が発生する
    • ガス代はプラットフォームを維持するために必要な手数料として存在
    • ガス代は①ガス単価と②ガスリミットの2つから構成される
    • 特にガス単価は需給関係で変動するため、ツールを使って確認すべし
    • ガス代を節約するため、人の少ない時間帯やETHが下落傾向にある時を狙おう

    こんな感じですね。

    実際にNFTアートなどを売買する時にもガス代は発生するので、具体的な計算式や相場観を身に付けておくとかなり役に立ちます。

    「実際にNFTをコレクションで買ってみたい!」という人はNFTアートの買い方を初めての人にもわかりやすくまとめてみた!気になる作品を買ってみようの記事もあわせて読んでみてください。

    NFTアートの買い方を初めての人にもわかりやすくまとめてみた!気になる作品を買おう

    「NFTアートの買い方を知りたい!」という人向けに、ゼロから詳しく解説した記事です。NFTアートを買うために必要となるイーサリアム(ETH)を用意する方法から、メタマスクというウォレットを準備する方法、さらにはOpenSeaというNFTマーケットでの作品の探し方・買い方をまとめています。

    続きを見る

    たな

    ガス代をおさえて、イーサリアムを楽しく活用していきましょう!

    -NFT
    -, ,